松山空港では、現地ガイドの江さんが待っていた。
この日は、ホテルにチェックインする前に、九份への半日日帰り旅行をする予定になっていた。
九份は、かつてはゴールドラッシュに湧いた金鉱の町。その後廃れたが、映画『非情城市』の舞台になり注目され、宮崎駿の『線と千尋の神隠し』でも取材先となったこともあり、今では有数の観光地になっている。
江さんは、ベテランのガイドという雰囲気で、手際よく、我々を案内し、両替などを促し、外で待っていた車まで連れて行ってくれた。
松山空港から九份へは、車で1時間ほど。台北の市内を抜けて、東北の方向に向かう。
15分ほど走ると、すっかり周りは緑。九份は山の上にあるので、移動するに連れて、どんどんと標高が上がって行くのがわかる。
途中、瑞芳というやや大きな町を抜ける。道の両側には、コンビニや飲食店などが建ち並び、それまでののどかな風景が一変する。
鉄道の駅があり、台北から鉄道で九份に向かう人は、ここでバスかタクシーに乗り換えるようだ。
ガイドの江さんによれば、この瑞芳は、九份で働いていた金鉱夫たちが、その疲れを楽しみで癒すために降りてくる、そんな場所だったのだという。
江さんは、詳しくは説明しなかったが、かつては、博打や遊郭などが沢山あったようだ。
瑞芳の町を抜けると、道は一気に山道を登って行く。やがて、山の上に、多くの建物が建ち並ぶ一角が見えてきた。ここが九份だった。
この日はあいくにの雨。天気がいい日は、展望台から絶景が望め、遠くの海まで見えるという。
九份の町は、細い路地のような通りに、沢山の店が建ち並んでいる。
その通りへの入り口は、セブンイレブンが左手にあり、わかりやすい。
旅行のバッグに折りたたみの傘を入れてきながら、空港で取り出すのをすっかり忘れてしまったので、仕方なく、入り口付近にあった店で、紫色の折り畳み傘を購入した。100台湾ドルだった。
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