基山街を抜けていくと、右に坂を下る小さな道にぶつかる。そこを少し下ったところに、阿妹茶酒館がある。
台湾の旅行ガイドで、九份を紹介している部分に、必ずと言っていいほど登場しているのがこの店。
夜になると、赤いボンボリのような提灯に明かりが灯され、幻想的な景色に変わる。
文字通りの茶館だが、1989年の台湾映画で、ヴェネツィア金獅子賞を受賞した『非情城市』で登場し、宮崎駿の『千と千尋の神隠し』でも、登場する屋敷のモデルになったとも言われ、今では九份のシンボル的な存在になっている。
入り口には、奇妙な3つのお面がある。この店の店主が、ドイツ人から譲り受けたもので、日本のお面だと言う。『千と千尋の神隠し』にも登場した。
お店は坂の途中に建てられ、坂を利用して3階建てになっている。2階部分に入り口がある。
中は、ゆったりとした造りになっていて、それまで狭い路地のような道を歩いてきているせいか、中に入ると、落ち着いて、開放的な気分になる。
阿妹茶酒館では、お茶を味わいながら、本格的な台湾料理も味わえる。名前の通りお酒も提供している。
2階の一番奥には、千手千眼観音がお祀りしてあった。
台湾では、観音信仰が盛んで、この旅でも、いろいろな場所で、観音様を祀っている場面に出会うことになる。
3階部分には、屋外席があり、天気がいいときは、ここから海が見渡せるようだ。
ガイドの江さんによれば、九份はおおむね天気が悪く、いつも曇りか雨で、晴れる日は少ないとのこと。
江さんの知り合いの日本人は、今まで七度もこの九份を訪れているが、一度も晴れた日に巡り会わせたことがない、というエピソードを紹介し、私たちを慰めてくれた。
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