2013年12月8日日曜日

龍山寺に見る台湾の人々の信仰心

龍山寺の前の通りに面した大きな門を潜ると、次にこの門が現れる。この門の右手が、中への入口になっている。


入口で、ロウソクと線香を売っていたので、買ってみた。いずれも、真っ赤なもので、日本人的な感覚からすると、ちょっと派手すぎるように感じる。




本堂にあたる建物の前には、多くの人が線香を手にお祈りをしていた。

線香に火をつけて、それを目の前に捧げながら、自分の名前と住所を唱え、その後に、お祈りしたいことを述べる。

こちらは、半分観光気分で、軽い気持ちでお祈りしているが、周囲では、真剣な思い詰めた表情で、熱心にお祈りを捧げている人が多い。


本堂の奥には、本尊の観世音菩薩が鎮座している。金ピカの世界。日本の古びた仏教のイメージは全くない。

本尊をよくよくみると、面長で端正な顔立ちをしている。女性のように見える。

日本でも、観音様は時に女性として描かれることがある。その地にある、女神への信仰と観音信仰が融合したのだろう。


本堂の柱の彫刻には、龍を始め、植物や鳥など、複雑な模様が見事に彫られている。


本堂の奥には、沢山の小さな堂があり、それぞれに、仏様や他の神々を祀っている。

入口で買った線香は、本堂だけでなく、こうしたお堂の前にも、一つ一つ、願い事を叶えながら、お供えして行く。

龍山寺には、二つの赤い木の実のようなものを地上に投げて、その落ち方で占いをする、という不思議な占いがある。それを行っている人たちも何人かいた。

この寺は、文字通り仏教のお寺だが、福建地方を中心に信仰される媽祖(天上聖母)や、三国志の関羽(関聖帝君)、日本の天神様にあたる学問の神様(文昌帝君)なども祀られている。

媽祖は、船の航行や漁業を守護する神として、香港やマカオ、シンガポールでも、重要な神様として祀られている。

団体の観光客の人々が、写真を撮ったり、わいわいがやがやと騒いでいるその間で、地元の信者が熱心にお祈りしている。

そこに祀られている神や仏も、そして、そこを訪れる人々も、とにかく、ごっちゃ煮。

この龍山寺という場所は、台湾という国のことを、象徴している場所のように思えた。

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