2013年12月14日土曜日

順益台湾原住民博物館は穴場でお勧め

旅の2日目。

朝、龍山寺で旅の安全を祈願して、そのまま台北市の北部にある、順益台湾原住民博物館という所に向かった。

順益台湾原住民博物館は、観光の穴場で、台北観光のお勧めの場所の一つ。

順益台湾原住民博物館は、MRT淡水線の士林駅からバスで15分ほどの所にある。実は、台湾観光の目玉である、故宮博物院のすぐ隣、歩いて5分ほどの所にある。


ガイドブックには載っているが、観光ツアーにはほとんど含まれていないため、訪れる人はほとんどいない。

私が、訪れた時、ちょうど前の見学者が帰る所で、その後は、完全に貸し切り状態だった。

今度は、私が帰る時に、若いイギリス人のグループが、まるで入れ替えるようにやって来た。


この博物館は、文字通り、台湾の現住民の人々の歴史や生活の様子を紹介する博物館で、順益企業という企業グループのオーナーが1994年に設立した。

林氏というそのオーナーは、台湾の現住民への関心が深く、多くのコレクションを持っていたが、それを多くの人にも公開し、台湾の現住民への理解を深めてもらうために、この博物館を設立したという。

1階は、入口が大きなホールのようになっており、受付と売店があり、展示は、2階、3階と地下1階。

2階には、ヤミ族の住居、アミ族の囲炉裏などが再現され、農機具や陶器など、生活に関する物が展示されている。

竹を編んで作られたカゴや器などがあったが、その編み方が、縦、横、斜めといろいろなパターンで多彩に編み込まれており、その技術の高さ、デザイン力の高さに驚かされた。

3階には、民俗服、首飾りなどの装飾品が展示されている。赤や青といった原色を使った、色鮮やかな衣装の数々は、展示場の雰囲気を華やかにしている。

パイワン族の、細かいトンボ玉(瑠璃珠)を紐に通して作られた精巧な首飾り。一つ一つのトンボ玉は、色も模様も違っている。かつては、その一つ一つに意味があったが、現在では、忘れてしまったという。

この首飾りは、世界で最も美しい首飾りの一つだろう。それが、あまり人が訪れない、このような所に展示されていることに、何事かを、考えさせられた。

台湾のいくつかの部族では、入れ墨が行われている。中国でも、南方のかつての楚の国では、入れ墨が行われていた。そして、日本では、今でも一部の人々の間で、行われている。そこには、何か共通するものが感じられる。

地下1階は、信仰と祭儀のコーナー。このコーナーが、一番、興味深かった。

パイワン族が占い用に使っていた壷。上を向いて、シッポを丸めている二匹のヘビが、単純化されて、対照的に彫刻されている。

台湾の原住民には首狩りの風習がある。首狩りに使った刀や、首を運んだ袋などが展示され、日本の鳥居龍造が撮影した、首の写真などが展示されていた。

首に特別な力が宿っているという考え方は、かつては世界中の多くの民俗が持っていたのだろう。日本でも、敵の首領の首を取ることは勝利を意味し、それを公衆の場に晒すことは、見せしめの意味があった。

滞在したのは、わずか1時間ほどだったが、台湾の原住民について、多くのことを知ることができた。

もっともっと多くの人に訪れて欲しい場所だ。

故宮博物院のすぐ隣で、故宮博物院との共通入場券が、250台湾ドルで売っているので、お得に2つの施設を楽しめる。

台北に行った際に、少し時間が出来た際は、あるいは、故宮博物院を訪れたら、是非、この順益台湾原住民博物館も訪れてほしい。

後悔することは、決してないはずだ。

順益台湾原住民博物館のホームページ

0 件のコメント:

コメントを投稿